Column
税務調査に入られやすい企業の特徴
REBFLEET代表税理士の笹 圭吾(ささ けいご)です。私は大阪国税局で17年間税務調査官として勤務していました。
「 税務調査、できれば来てほしくない 」とお考えの経営者様に向けて、税務調査を少しでも遠ざける方法を、私の経験を元に調査官目線でお話させていただきます。
✓ 目次
① 国税総合管理システムで粗選定
② システムで選定された調査候補先を担当調査官が選定
① 不正をする人の心理を読み解く
② 経営者の生活状況の想像
✓ 補足:記事の信頼性
記事を書いている私は、2013年4月から2020年6月まで大阪国税局で17年間勤務。
税務調査のリアルをお届けします。
税務調査官時代は、各種ある税務調査の中では、最もポピュラーでかつ調査の最前線ともいうべき現場で調査を担当。
〇 調査実績
1,000社以上の調査実績(※1)
不正発見割合(※2)は署調査官時代、平均7割超えをキープ。
通常平均は2割程度(※3)の不正発見割合
※1 机上・主担当以外の調査を含む
※2 すべての着手件数のうち不正事実が認められた件数の割合
※3【国税庁_報道発表資料】法人税等の調査事績の概要より
税務調査の時期や頻度、傾向ってある?
1.
やましい事がなくても、できれば避けたい税務調査。調査の時期や頻度が事前に分かれば嬉しいですよね。
ここでは、税務調査に関するよくある噂に基づいてお答えしていきましょう。
「 税務調査って開業後3~5年くらいで来るらしい 」
こんな噂もありますが、あえて2年目で調査に入った調査官もいました。逆に10年以上調査を行っていない会 社もあります。
このように、税務調査を行う頻度は決まっておらず、会社の売上や規模などによってタイミングは異なります。
「 税務調査って秋が多いらしい 」
確かに、税務調査の繁忙期は7〜12月頃です。
■ 理由としては、以下の通り。
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税務職員の人事異動期が7月
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調査期間が長引く可能性のある大型事案や目玉事案は上半期に集中
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上半期の実績が人事評価に影響しやすいなどの大人の事情( 調査官の本気度が高い時期 )
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2月・3月は税務署が個人の確定申告で忙しくなる
実地調査の繁忙期は上半期(7~12月)という傾向はありますが、『 調査が秋に多い 』というわけではありません。
小ぶりな事案は下半期(1月以降)にすることもあるため、調査件数だけでいうと下半期の方が多くなる可能性すらあります。
✓ 結論、調査の時期に決まりはない
あなたの企業にいつ・どのタイミングで調査が入るかはわかりません。
『 開業〇年だから 』『 今回調査をしたから次回の調査は〇年後 』というルールはないのです。
✓ 決まりがないから未然に防げる
「 税務調査の頻度に決まり事がないなら、何も対策ができない。」と、いうわけではありません。
逆に調査頻度の決まり事がないため、きちんと対策をすれば、税務調査を未然に防ぐ事ができます。